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その1 オリジナルのぬいぐるみを作ってみましょう。 まずテーマ。当然ここでは恐竜です。お店で売っている のは半分は熊さん。他のデザインも大部分は同じような 生地のカットと縫製です。 量産するためにはいろんな制約があります。生地を カットする際にできるだけ無駄を出さないデザインが、 必要だったり、縫製のしやすさ、詰め物をエアーで吹き 込むための条件。最近はタイなんかで作られることが 多いのであんまりややこしい注文は付けにくい。そんな こんなで消去法で行くと、同じようなコンセプトになって しまいます。 そこでそんなことを気にせずに好きなよう作ります。 いくつも作った経験がれば、頭の中で思った形をその まま形にできるかも知れませんが、時間やノルマに追 われていなければ、はじめに粘土で作ってみましょう。 |
粘土は油粘土がいいでしょう。紙粘土だと乾いてしまうので、時間に追われてしまいます。 ただちょっとばかり臭いし、途中でおやつを食べるには手がべとついて気持ち悪いとか、欠点も あります。できあがったオブジェから型紙を取るのですが、サイズを変えるのは、かなり高度な テクニックを必要とするので、できるだけ原寸で行きましょう。 目標の大きさは、小さいと細かいところが縫いづらい、大きいと材料費が高くつくなどと考慮し て、行き当たりばったりで決めます。参考として高さ20pぐらいが作りやすいと思います。 この場合、文房具売場で500グラムでキツネさんとウサギさんのイラストのついたやつを4個 ほど買ってきましょう。机の上で直接やってしまうと油がしみこんだり、向こう側を作るのに自分 が移動したりと面倒なので、25p四方程度のベニヤ板か何かの上で作りましょう。彫塑用の ろくろのように台が回るやつがあれば最高です。 好き勝手に作っていると、頭の重さでお辞儀をはじめて、見ていたテレビから視線を戻すと、 突っ伏して鼻がつぶれていたりしますので、そういう場合は頭から割り箸をぶすっと差し込んで 骨のあるやつにします。 |
粘土から石膏で型を取って作品を作るわけ ではないので、イメージがしっかりと表現でき れば、あまり細かなことは気にしないで良い でしょう。道具としては台にする板と何本かの 指と、もうひとつ竹のへらがあればOK。 へらは画材店でも売っていますが、竹箒があ れば鋸で一番上のひとふしをもらって、足で 踏んづけて割れた中からお気に入りを見つけ、 削って作ります。 ぬいぐるみは素材で全く印 象が変わります。粘土は色もないし無機質の 標本みたいなので、先に素材を決めましょう。 そのイメージを絶えず粘土の上にかぶせて、 カラーで見えたら天才です。 |
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らしいのができたら、型を取ります。粘土があまりにも出来が良くてこれも作品として 残したいと思ったときは、ちょっとばかり注意が必要です。部屋に油粘土のまま飾って おくととても臭い上に、真夏のクーラーの切れている間にひどい脂汗をかくので、見栄 えが悪くて情けない事になります。この場合の対処の方法は、自分で考えて下さい。 基本的にはポリゴンを刻むわけです。CGでは数が多ければ多いほど偉いのでしょうが、 ぬいぐるみでは、シンプルであることと、イメージに忠実であることの最高の接点を見つけ ることが大切です。それと生地の性質や厚さ、ファーやフリースのような縫い目の見えにく い素材かどうかなども考慮しなければなりません。コットンのような生地ではバイアス方向 に少し伸びるだけなので、ポリゴンは多くなる傾向があります。 粘土の上にへらで線を引 いて、面取りをしていきます。コピー用紙なんかを当てて切り抜いてみます。隣の面とくっ つけたときにあまりしわにならないためには、小さい方が良いのですが、量産品ではない ので縫いづらいのはOKとしても、ピースが増えすぎるとフランケンシュタイン博士の人造 人間みたいになってしまいます。直接型取り立体裁断の極意は結局才能ですが、慣れれ ば、ぴったりパンツやTバックなんかも簡単に作れるようになります。 あなたが男なら、彼女のパンツを作ってやることにして型どりに励めば、能力の飛躍的 な向上が可能です。 |
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